54.落着
「――太一くん。どうしたんですか?ボーっとしてますけど」
智也に声を掛けられ、現実に引き戻される太一。
「あの後、長野くん。どうなったのかなって思ってさ…」
ポツリと呟いた言葉に顔を見合わせる昌行たち。そして暫く口を
噤んだ後
「落ち着いたよ。散々、暴れ回った後な。だけど次の日。あいつ、
何にも覚えてなかったんだ。何にもな――」
これまたポツリと呟くように昌行が遠くを見つめ、そう言った。